こんにちは、アキ(MediaAki)です。
音楽配信のリンク集からバンドやミュージシャン、音楽関係者と知り合い、
その繋がりから少しずつ音楽の仕事をさせていただくようになりました。
9年前、プロミュージシャンの教則をモバイルコンテンツへと企画し、
ドコモ公式サイト(iモードサイト)の申請をしたら何と通り、法人を立ち上げることになりました。
結果失敗!!
それでも学んだ事はいっぱいありました。
見れない景色も見れました。
そんな事、書いてみます。
公式サイトオープンからの流れはこんな感じです。
2008年5月
ドコモ公式サイト申請、6枚の企画書提出
2009年3月
ドコモさんから返事
打合せ
企画書作成スタート
2009年9月
法人設立
2009年12月
企画書正式提出 31P
2010年1月7日
ドコモ公式サイ「音モ」承認される
2010年1月25日
サイトオープン
2015年12月31日
サイト閉鎖
申請からスタートまでは1年半
公式サイトは約5年運営していたことになります。
ここに書いてあるのはiモードサイトの時の話です。
現在の公式サイトはスマートフォンサイトになりますので内容が違ってくると思います。
ドコモ公式サイトでサービスを始めたい
音楽サイトからの繋がりでミュージシャンと出会い、第一線で活躍するミュージシャンの教則をしたいと思った。
楽器を習うのは若い子が中心だから、携帯で安くプロの技術が見れたらいいなとドコモ公式サイトに6枚の企画書を送った。
え、6枚?少なくない?
メールして数週間ほど経って諦めかけた時、なんとドコモさんから話が聞きたいとメールが来たのです!!
緊張してドコモさんに伺ってきました。
法人立上げ、コンテンツ作り
企画書6枚は少ないというの、重々承知なのですが、実はその時コンテンツもなかった(汗)
おいおい無茶過ぎる~
本当、思ったら即動くというところは本当昔から変わらないです(汗)
ところがドコモさんはこちらの企画に興味をもっていただき、前向きに検討して下さるとの事、まずやらなくてはいけない事は。
- ちゃんとした企画書
- コンテンツ作り→携帯でのサービスを始める
- 法人立上げの準備
これはドコモ公式サイトが決まるという事も、ドコモさんと契約するという事も確実でない状況での事です。
法人立上げ
「法人立上げって何すればいいの?」「定款って何?」
レベルでしたが、本を買って勉強し、
2009年、なんとか立ち上げることが出来ました。
特殊な職種になるので、法務局で「この目的はここらでは見た事ないなぁ」と言われました(この時点で情報なし)
こちら↓↓はマンガで読みやすいです。
なんとKindleだと0円!!
借入れ
まず助成金(返さなくてもいい支援金)を探しましたが、なかったり該当しなかったり。
それで市に紹介していただいた所で起業の相談。
ここでも特殊なビジネスで売り上げのめどが立たないとの事で、仕方なく普通に金融公庫から借りることになりました。
コンテンツ制作
ミュージシャンの知り合いはたくさんいたので、条件など話し承諾してくれた方々で決定!
最初に教則動画コンテンツを作りたかったので、バンドされてるけど本業で映像されてる方にオファー。
都内のライブハウスを貸し切ってプロギタリストとベーシストの動画を撮影をしました。
ハンディカメラとかで撮ると思ったらでっかいカメラ2台と各種照明、モニター、録音機材などなど。
ディレクターはじめ7名はメジャーシーンで活動されてるかたばかりでした(大汗)
携帯サイト専用コンテンツはサポートミュージシャンに依頼。
音源、テキスト、画像など教則コンテンツを定期的に制作していただく事に。
ドコモさんに企画書提出、訂正の繰り返し
「参考にして下さい」と見せていただいた企画書は全て100枚超えでした(汗)
「えらい所に足を踏み入れちゃったかな・・」って数パーセントくらい思いました。
あとの九十何パーセントはやる気満々でした(笑)
出しても出しても続く訂正。
サイトの規模は当初より大きくなっていきます。
「えらい所に・・・
上に同じ(笑2)
訂正の入れ方もなんかセンスいいというか「第一線の仕事ってこういうのなんだ。」と刺激受まくっていました。
情報がない
ドコモさんに限らないのででしょうけど、ネットを介してのビジネスでは秘密保持に関して凄く厳しいです。
間違ってアップしちゃったじゃ済まされないのです。
そんなんで「携帯公式サイト 作り方 運営」などと検索しても
まったく出てきませんでした。
なんなら携帯サイト制作してる業者さんでも公式サイト扱ってる所が見つからず、かろうじて最初に入った情報が「システムに数百万ってお金かかるよ。」
えっ・・・・・・・
もう「えらい所に」なんて言ってられません。
探して探して、「ドコモのみ」「月額定額課金のみ」ということでやっていただける会社と契約させていただきました。
それでも60万円
ドコモ公式サイトに通ったのに、なぜ失敗したか
ユーザー目線になれなかった
このひと言に尽きます。
細かい失敗は色々あります。
PRの失敗
このようなフライヤーを全国のスタジオやライブハウスに送っておいてもらったり
有料のプレスリリースも出して、たくさんのメディアに紹介していただきました。
それでも!
公式サイトの会員数は200人にも満たなかったです。
月額315円なので大勢の人に届けてなんぼなのです。
知り合いの携帯サイト制作業者の方に「携帯サイトの宣伝は携帯サイトアフィリエイトが主流みたいですよ。」とアドバイスをいただきました。
今ではアフィリエイトを金額制限して出せますが、当初は安くて最低月15万円からという感じでした。
サイト、コンテンツ制作に思った以上かかってしまい、広告費が大きく出せない状況だったのです。
ネット価格の罠
今思えばなのですが、安いネットサービスを始める場合
- 資本があって大きく広告費を出せる、もし失敗しても次の手を出せる。
- 少額または無料のサービスから大きな金額の自社サービスに繋げる
なのです。
そうでなければ少額サービスはもたないのです。
経費かけすぎ
これもまた「やりたい事をやった。」ツケです。
費用対効果を考えず、
- いいコンテンツには人が集まるはず
- ミュージシャンには儲かってなくてもちゃんと支払おう
これでは続いていかないですね。
なんで儲からないのか、ではどうしたらいいか。
もっとみんなで話し合うべきでした。
チャンスはあった
コンテンツ制作にお金がかけれなくなったころ、投資家さん達にプレゼンできる場があった。
企画書に沿い、現状はよくなかったもののコンテンツがあればと一生懸命プレゼンした。
するとある投資家さんに「なんでメジャー曲やらないの?メジャー曲やるんだったら投資してもいいよ。」と言われたのでした。
それなのに私は「ミュージシャンの教則も演奏も素晴らしいのでオリジナルにこだわりたいのです。」と答えお断りしてしまいました。
多くのユーザーが求めてるのはメジャー曲です
それはわかっていましたが、JASRACと契約、そして企画書も追加提出しなければならない。
それよりも定額のみのシステムになってるので、曲ごとのダウンロードや どの曲がダウンロードされたかなど、システムの追加に相当かかりそうだったのです。
もしかしたら投資してもらった金額ほとんど使う事になるかも。
それで会員数はどのくらい増えるのか、返せるのか、怖くなってしまったのです。
ドコモ公式サイトをやってみてよかったこと
秘密保持契約を結んだあとからiモードのオフィシャルサイトに入れます。
そこには驚くほどのiモードサイト構築に関する情報があります。
ダウンロードしたPDFは最高級のレイアウトとわかりやすさ。
こういうのを見れただけでも勉強になりました。
(規模が大きすぎてログインする度ドキドキしたチキンでした💦)
使えるシステムも毎月の支払い明細書もひとつひとつが新鮮でした。
定期的に伺うドコモさんとの打ち合わせは、なんかもうVIP気分。
セキュリティが驚くほど厳しく、普通はなかなか入れない上層階、応接室。
売上がよくないのに担当者さんは一生懸命考えて下さって、宣伝して下さって、それに報えなかったをいつも申し訳なく思っていました。
赤字は500万円超え
最初の資本金100万円。
借入金200万円。
そのほか経費や私の給料未払いであっという間に赤字が500万円を超えました。
コンテンツを作っていくのが難しくなり、更新も滞ってきました。
その頃スマートフォンが出てきてサービスが始まり、会員数がさらに減りました。
広告費も捻出できず、スマートフォンサイトを作る費用もなく、せっかく開設したドコモ公式サイトでしたが閉鎖することになりました。
法人立上げてよかったと思う事
ドコモ公式サイトは結果失敗でしたが、法人を立ち上げたのはよかったと思っています。
現在は元々本業だった製図を法人の方に入れて運営しています。
赤字を繰り越せる
法人の場合、赤字は繰り越せます。
短期借入金などは少しずつ返していますが、現在の図面の収入では追いつかない。
結局毎年トントンという感じですが、新たにブログを始め、今度こそみなさんの役に立つ情報を発信していきたいと思います。
社会保険と厚生年金
厚生年金加入は大きいです。
もらう給料を少なくしても社会保険料を支払えば国民年金より増額します。
そして定年は無し。
働ける間中働いていいのです。
決算
ネットビジネスは経費が少ないので、記帳は自分で出来ます。
私は弥生会計 オンラインでやっています。
毎年の決算は知り合いの税理士さんにお願いしています。
仕入れも支払いも今は少ないので数万円でやっていただけています。
まとめ
あの時ああすればと思う事はよくありますが元々勉強不足。
結果はかわらなかったのではと思います。
起業から10年が過ぎ、新しいサービス出すのもも難しいですが諦めず、また何か出来る事あったら挑戦していこうと思います。
そして、音楽によってたくさん救われてきたので、また音楽にお返し出来たらと思います♪